山と海のある町
2020年04月06日

この週末は恋人に会いに、千葉県の海沿いの町へ出かけた。
着いて早々、恋人は私の手を引き、桜咲く神社の並木を歩きながら、海辺へと連れ出してくれた。
ここは波が高く、水温もあたたかいので、たくさんのサーファーで賑わっていた。
大きな流木に腰掛け、
次の波に乗るかな、あの人はどうだろう、
なんて会話をし、また手をつないで家路についた。
翌朝は山間の道を散歩した。
昼過ぎから雨が降るというので、早々に支度をし、歩き始める。
田んぼにはられたばかりの水面に、山の稜線と、畦道の桜や菜花が写り込む。
夕方、雨もやんだ頃に再び外へ出ると、刻々と移り変わる空の色の合間に、かえるの鳴き声が混じる。
今はまだ4月、
季節が変わって、夏の日差しが差す頃、この町の海や山は、どんな顔を見せてくれるのだろう。
風の温度はどんなふうだろう。
素足にサンダルで、肩を出したワンピース姿で、
今日と同じように夕暮れを散歩する、
はやくもそんな想像が湧いてきて、楽しみに気持ちが早る。
ここから6ヶ月、
恋人の成長と、
私たちの繋がりを育み、見守ってくれるよう、
山と海のあるこの町の、広い空に願った。
m.